歪んだ月が愛しくて2
「これでもアンタとは同級生なんだぜ」
「知らねぇな」
「だろうな。俺、2年の夏から入院してて最近退院したばっかなんだわ。あ、因みにヨウとはマブダチね」
「誰がマブダチだ!」
「そんなことはどうでもいい。それよりさっき“本物の仕業”と言っていたが、それはどう言うことだ?」
「どうもこうもねぇよ。これをやったのは本物だ、俺じゃねぇってこと」
「……つまり、今までの事件はお前の仕業と言うことか?」
「ご名答」
そう言うとキョウは不敵な笑みを浮かべた。
「何故、白夜叉の真似をした?」
「そりゃ会いてぇからに決まってんだろう」
「会いたい?」
「白夜叉の真似をして族潰しなんか面倒臭ぇことしたのは奴を誘き出すためだ。白夜叉の名前を使って関係ねぇ奴をボコせば奴は必ず姿を見せる。あの時みてぇにな」
「キョウ、お前…」
一瞬、陽嗣が顔を歪めてキョウに責めるような視線を向ける。
「その結果がこれか?」
「ああ。下っ端なんて雑魚ばっかで使えねぇと思ってたが、コイツ等も最後に良い仕事してくれたぜ」
キョウは血塗れで蹲る男達を詰るかのように言葉を続けた。
「お陰で白夜叉を誘き出すことには成功した。しかも奴はまだ東都にいることも分かった。コイツ等には感謝しなくちゃな、ククッ」
「………」
俺はキョウの神経を疑った。
仲間がやられたにも関わらずヘラヘラとして、初対面とは言え胸糞悪い野郎と言う印象を受けた。
「退院早々、悪目立ちしてんじゃねぇよ」
陽嗣はそんなキョウの言動に呆れた様子で溜息を吐く。
マブダチと言うだけあってキョウの性格を理解しているのだろう。
「あれくらいしねぇと愛しのシロちゃんは出て来てくんねぇんだよ」
その言葉に、無意識に眉を顰める。