歪んだ月が愛しくて2
「で、話は付いたわけ?」
御手洗は「長いんだよ」と言わんばかりに腕を組みながら苛立ちを露わにする。
「ああ」
「納得はしてないけどね…」
「それ自分で言っちゃうんだ」
「ま、今日くらい我慢しろよ。明日にはきっと元気になって戻って来ると思うしさ」
「電話に出ないならメールしてあげれば?もしかしたら喉が痛くて電話に出れないのかもしれないよ」
「若しくは爆睡してるかだね」
「……うん、そうだね。後でメールしてみるよ」
納得してないにしろ、これだけ言えば無理に接触することはないだろう。
「それならいいでしょう?」
「ああ」
未空の場合、心配するなって方が無理な話だからな。
「よし」
「何がよしだよ。早くメールしなよ」
「今は恥ずかしいから後で♡」
「キモ」
「乙女か」
「いつしても変わらないんじゃないかな?」
「てか、何で未空が立夏くんの番号知ってんだよ!俺にも教えろよ!メアドも!」
「嫌なこった。俺だってリカの番号ゲットするのにどんだけ苦労したと思ってんの?」
「ああ、お前嫌われてたからな」
「えっ、やっぱ俺嫌われてたの!?」
「嫌われてたかもね。俺達にはすぐ教えてくれたし」
「だな」
「ショック。ヤバい、泣きそうなんだけど…」
「もう頼稀くんも希くんも、あんまり未空くんのことイジメちゃダメだよ!」
「アオ…っ」
「大丈夫だよ。前は兎も角、今の立夏くんは未空くんのこと大好きだと思うから!」
「今はな」
「今はねー」
「更にショック…」
「えっ、え、僕何か変なこと言っちゃった!?」
「天然最強」
「質悪いな」
「言って置くけど、立夏くんの鈍感振りもかなり質悪いからね」
「立夏くんを悪く言うな!」
「そうだそうだ!リカは質悪くても最強に可愛いからいいの!」
「ちょっと〜、それエンジェルに失礼だからな。うちのエンジェルは可愛くないって言いたいわけ〜?」
「あーあ、可哀想」
「あ、ごめん。別に葵のことを悪く言ったつもりはなくて…」
「ううん。僕は全然気にしてないから大丈夫だよ」
「藤岡贔屓もいい加減にしたら?」
「贔屓じゃないよ!大好きなだけもん!」
「あら大胆」
「どこが?ただの小心者じゃん」
「確かに本人に伝えるのは勇気がいるよね」
「汐、自分のこと言われてるって分かってる?」
「………えっ!?」