歪んだ月が愛しくて2
「学ランってことは…」
「そっ、俺達も応援団の一員ね」
「この度、九條院様から名誉ある応援団の話を頂きました。C組優勝に貢献出来るように一緒に頑張りましょう」
名誉?
え、そんな大それた感じなの?
「今回応援団は1年から2人、2年から2人、3年から3人選出している。それで去年に引き続き経験のある僕が応援団長を務めると言うわけさ」
「1年から2人?じゃあもう1人の1年は…」
「俺しかいないだろう」
その声に振り返ると、そこには黒い学ランを身に纏う頼稀の姿があった。
「ですよね…」
何となく分かってたよ。
「これ以上勝手なことをされたら堪らないからな」
「え、それ俺なの?アゲハじゃなくて?」
「間違いなく2人共だ」
「……俺、何かしたっけ?」
「忘れたとは言わせねぇぞ。何が“会長に見られちゃったかもてへぺろ”だ。事後報告のくせにぶりっ子とはいい度胸だな」
「ごめんなさい」
ミシミシと、頼稀の手が俺の頭に減り込む音がする。
あちゃー、相当怒ってらっしゃる。
今日は余計なことは言わないでそっとしておこう。触らぬ神に祟りなしだよ。
頼稀が応援団に合流した後、3年のメンバーとも合流して簡単な自己紹介を済ませた。
名前と特徴は面倒臭いので割愛させて下さい、ごめんなさい先輩方。
「これで全員揃ったね。君等にはこれから始まる各種目の応援に当たってもらいたい。勿論、僕も一緒さ」
「光栄です!」
え、何が?
アゲハと一緒だから?
三橋先輩って頭可笑しい人なのかな?
「んじゃ、早速応援しに行こうぜ」
「えっ、あ、ちょっと!」
俺は沖田先輩に手を引かれながら観客席の最前線に向かった。
「ふふふっ」
そんな不敵な笑みには気付かずに。