歪んだ月が愛しくて2



「何だよあからさまって?俺は自分に正直に生きてるだけだぞ」

「正直過ぎでしょう…」

「ねぇ、ナンパってのは否定しないの?俺に喧嘩売ってるわけ?」

「売ってない売ってない。俺も仲間に入れてくれって言ってんの」

「は?嫌なんだけど」

「沖田さん、立夏くんを困らせないで下さいよ」

「え、困ってんの?」



汐の言葉に沖田先輩が俺の顔を覗き込む。

いや、近いって。



「……もしかして、俺のこと警戒してる?」

「別に」



そう言って誤魔化してみたが、警戒しないわけがなかった。
初対面の人間に仲良くしたいと言われて他意を感じない者はいない。
何かしらの魂胆があって近付いて来たと考えるのが普通じゃないだろうか。



「いやー……うん、十分警戒してるね」

「言葉足らずなんですよ、総一郎さんは」



その声に振り返ると、何故か俺の後ろに頼稀とアゲハが立っていた。

いつの間に…。



「俺ナンパ下手?向いてない?」

「自覚ないんですか?ヤバいですよ」

「まあ、相手は駒鳥だからね。そう簡単に堕ちてくれるほど安い子じゃないんだよ」

「実践済みでーす」



意外にもアゲハと頼稀は沖田先輩とフレンドリーに話し始めた。
アゲハと頼稀が気を許していると言うことは、まさか………まさかだよね?



「未空、汐、お疲れ様。君等のお陰で良いスタートが切れたよ」

「ちゃんとC組に貢献したみたいだな、よくやった」

「あざっす!」

「リカが応援してくれてるのに負けるわけにはいかないからね!」

「その調子で次の競技も頑張ってくれたまえ」

「つーわけで、とっとと自分の席に戻れ」

「えぇえええ!!何で!?自分達だけリカを独占するなんてズルくない!?」

「お前達がここにいても邪魔なだけだ」

「じゃあ俺も応援団やります!立夏くんと一緒にC組に貢献します!」

「俺も!」

「そんなに応援したいなら自分の席からすればいい。声が枯れるまで存分にな」

「そうじゃなくて!俺は…」

「お前達がいつまでもここにいると立夏の邪魔になる。つまり応援が出来ない。結果C組が負けるようなことになったらお前達はどう責任を取るつもりだ?」

「い、いや、それは…」

「ゔ、うぅー………もし負けたら…」

「負けたら?」

「は、は…」

「は?」




















「裸踊りするよ!汐が!」

「俺かよっ!?」



かえれ。


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