歪んだ月が愛しくて2
こうしている間にも白樺は俯きながら細い肩を震わせていた。
俯いているためはっきりと表情は窺えないが、あれだけ一方的に責められたら顔面蒼白でも無理はない。
陽嗣先輩の言う通り俺が決めた方がお互いのためかもしれない。
「……分かりました。白樺の処分は俺が決めます」
「内容は?」
「決定権は俺にあるって言いましたよね。だったら会長に報告する必要はないと思うんですけど」
てか、会長にだけは言いたくない。
「あ?」
うわっ、王様の不機嫌に拍車掛けちゃったよ。
ええーい、こうなったらヤケだ。
「白樺、行くぞ」
「え、行くってどこに…」
「2人っきりで話が出来るところ」
白樺の腕を掴んでソファーから立たせると、俺は「それじゃまた」とだけ言い残して生徒会室を飛び出した。
背後から「どこ行くつもりだ!?」と誰かさんの怒声が飛んで来たので、俺は捕まらないように白樺の手を引いたまま中央棟を駆け抜けた。
「リカの反抗期、来たね…」
「まあ、誰彼構わず当たり散らしていれば愛想尽かされて当然ですけどね」
「チッ…」
「んじゃ、俺が様子見て来てあげようじゃねぇの」
「あ、俺も行くー!」
「お猿はダーメ。お前にはお父さんの子守りをしてもらわなきゃいけねぇからな」
「普通は逆ですけどね」
「えー、やだよ。俺もリカのところ行きたーい」
「うぜぇ。とっとと行って来い」
「はいよ」
「……但し、同じ轍は踏むなよ」
「わーってるよ」