歪んだ月が愛しくて2
「それより何で君が我孫子先輩と仲良いわけ?」
「えっ」
仲が良い?
そんな風に見えてんの?
「それについては僕も気になっていたんですが、我孫子くんとは以前から知り合いだったんですか?」
「あ、それは…」
俺は我孫子と知り合った経緯を誰にも話していなかった。
別に隠して置くことじゃないし疚しいことなんて何一つないが、いざ話そうと思うと気が引けた。
だって我孫子はGDのリーダーで、GDは覇王の天敵で。
俺が下手なこと言ってこれ以上の確執を生みたくなかったし正直面倒なことに首を突っ込みたくなかった。
ここは適当に誤魔化すのが無難だよな。
そんなことを考えていると突然後ろから肩を掴まれて後方に引き寄せられた。
「秘密だよな〜、俺達2人だけの」
……馴れ馴れしい奴め。
「うざい」
「連れねぇこと言うなよ。俺とお前の仲じゃねぇか」
「それがうぜぇって言ってんだよ。何だよ俺とアンタの仲って?」
適当なこと言いやがって。
「我孫子くん、立夏くんを離して下さい。嫌がってますから」
「嫌がってる?どこが?」
「アンタの目は節穴?これが嫌がってないように見えんの?」
「ふり…「じゃねぇから」
パシッと、我孫子の腕を振り払って距離を取る。
「我孫子くん、くれぐれも王様の前で不用意な発言は慎んで下さいね。今は僕だけですから多少のことには目を瞑ってあげますが彼等に見られたら面倒なことになりますから」
彼等?
面倒?
「善処するよ。アンタも大変だなでっかい子供のお守りは」
「代わって差し上げてもいいんですよ?」
「そいつは辞退させてもらうぜ。俺は俺の好きなようにやらせてもらう。何たって俺はアンタ等の天敵だからな」
我孫子は「なあ?」と俺に同意を求めて髪を掻き乱す。
「やめろ」
そう言うのがうざいんだよ。
学習しねぇなコイツ。
「お前さ、何か俺にだけ当たり強くねぇか?」
「否定はしない」
「何で?俺なんかしたっけ?」
「頭カチ割ってやろうか?」
あれを忘れたと?
どんだけ都合の良い頭してんだよ。