歪んだ月が愛しくて2



それにしてもこの女共スゲーな。
あれだけ九澄に散々なこと言われたってのに全然諦める気配がない。
根性だけは認めてやるけど、それをもっと別のことに活かせばいいものを。
つーか、いい加減分かってくんねぇかな。
あれだけ俺と九澄が嫌そうに対応してやったんだから、これからどんなに頑張ろうとこれ以上悪くなることはあってもオメー等への好感度が上がることは1ミリもねぇってのに。



それでも自分勝手なことを喚き立てる女共に嫌気が差して正面にいる尊と未空を見ると、2人は一切言葉を発することなく女共の腕を強引に振り払い、何故かりっちゃんの元へ向かったかと思えば、未空はりっちゃんの背後から腹部に腕を回して抱き込み、尊はりっちゃんの肩に腕を回してまるで見せ付けるかのように密着した。



あー…そう言うことね。



流石にあのバカ女共でもりっちゃんには勝てないって分かるか。
いくら帽子と眼鏡とマスクで顔の半分を覆っていてもりっちゃんの綺麗さとか滲み出る凛としたオーラとか全然隠せてないし、寧ろ顔の半分が隠れているから女と言われたら信じてしまうかもしれない。



「……ねぇ、2人して何?重いんだけど」

「気にするな。充電中だ」

「ああ、リカの匂い生き返るぅ〜」

「変態か」



見せ付けてくれるね。

これで女共も大人しくなるか。





そう思ったのも束の間。





「相変わらずどこにいても目立つ人ね」





突然、1人の女が視界に入って来た。

その身形からして女共の連れか…と安易に考えていたが、女は俺の視界に入ったと同時に何故か尊の腕に自身の腕を絡めてピタッと寄り添った。





「久しぶりね、タケル」





媚びるように、どこか勝ち誇った強気な表情で。





「捜す手間が省けたわ。でもまさか貴方みたいな人がこんなところにいるとは思わなかったけど」




















「……………誰だ?」

「忘れてんじゃないわよ!!」


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