歪んだ月が愛しくて2



「ああ、これがみーこのスタンドか。中々趣味悪いね」

「未空、それはスタンドに失礼ですよ」

「じゃあ何コイツ?ストーカー?」

「何で“タケル”って呼ばれてるんですか?会長ってタケルって名前でしたっけ?」

「あー…それは尊が外で遊ぶ時に名乗ってる名前で…」

「……成程。つまり夜遊びは健在ってことですか」

「おい、勘違いすんなよ。これは…」

「別に勘違いじゃないと思うんですけど。ストーキングされてるのがその証拠でしょう。可哀想…、会長のことストーキングしても良いことないのに…」

「何であっちに同情してんだよ」



ストーカー?

いや、もし本当にストーカーなら神代の護衛が接触を許すはずがない。

付けられてたわけじゃねぇってことは、ここで会ったのは偶然ってことか。

それに女の口振りからして尊と女は以前から顔見知りのようだが、当の本人が覚えてねぇってことは大した知り合いじゃないんだろう。



「ムカつく!何なのよもう!本当信じらんない!」



勝ち誇ったような強気な表情が一変し、女は顔を真っ赤にさせて汚い言葉を吐き捨てる。



これで会社関係の知り合いって線はなくなった。

残る可能性としては尊が遊んだ女の誰かってことになるが…。



チラッと。



んー…りっちゃんの前で余計なこと言わなきゃいいけどな。



「しらばっくれんじゃないわよ!よくもあの時はあたしに恥掻かせてくれたわね!双児のクラブであたしにしたこと忘れたとは言わせないから!」

「双児?」



(………あっ、この女!)



思い出した。
どっかで見たことあると思ったら、尊にフラれたあのヒステリック女じゃねぇか。
そういやあの時も自分は読モだとか偉そうなこと言ってたな。
じゃあやっぱりこの女があのバカ女共の連れってことか。
類は友を呼ぶって言うけど、ここまで同じ人種が集まると迷惑以外の何者でもねぇな。



「あー…また女の人泣かせたんですね、サイテー」

「だから何であっちに同情してんだよ。俺にだって選ぶ権利はあるだろうが」

「好き嫌いは良くないって誰かが言ってたよ?」

「陽嗣と一緒にすんな」



いやいや、俺を巻き込むなよ。


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