ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
(いや、だめだろ……プライベート部分で可愛いとか思ってたら取り返しがつかなくなる)

 諦めさせるために付き合っていることなのに、俺がハマってどうする。そこでこそ大人の余裕を見せろよ、そんな風に言い聞かせてはため息をこぼすことが増えた。

「はぁ……」

 こんな風に誰かを想ってため息を溢すなんか、何年ぶりだろう。それもストレスとかでもない、どちらかというとくすぐったいものだ。

 二本目のタバコを取り出していたら喫煙ルームに柳瀬が入ってきた。

「おつかれ」

「……おつかれ」

「なんか疲れてんな?」

「柳瀬部長ほどじゃないですよ?」

 嫌味っぽく言ってやったらくしゃりと笑う。

「もうただのサンドバッグだよな。上は言いたいこと言うだけ、出来てないことの報告はいらないから出来たことだけ言えってさ。言い分も聞く気ないのかよ、ってならん?」

 同期の中で突起して早くに出世した柳瀬。出世欲も強い奴だからこそ仕事へのモチベも高くやるからには、な精神が強い。
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