ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 先に言われた。

「本気じゃないなら異動する前にちゃんと片付けていけ」

「……」

「彼女の幸せ考えろ。お前のその態度は優しさでもなんでもない」

 真正面から言われて何も返せなかった。

「話す気がないならそれは受け入れる気がないってことだろ? それこそ傷つけることだってわからないか? お前は言わないことを優しさと思っているかもしれないが、本当にそうだと自信を持って言えるか?」
 
 優しさかわからない……そんな思いをずっと抱いて四宮と向き合っている。ただ四宮の望むことを……それは言い訳かもしれない。
 
「一緒にいるほど辛くなる相手と幸せになれるのか。お前は幸せに出来なかったことをずっと悔いてるだろう」

「……」

「過去は過去だ、お前にだって未来がある。当たり前に幸せになる権利がある。ただ、中途半端にするな」

「……わかってる」

 その言葉を吐くので精一杯だった。わかってる、わかっているのだ。だから期限付きの今だけの関係だから。

「本当にわかってんのか?」

「……」

「応えてもらえないままそばに居るのはしんどいぞ。その時間が増えるほど……相手はずっとそれに縛られる。それはお前が一番知っ
てるだろ? だから未だにお前は縛られて……それを理由に逃げてるじゃないか」

「……」

「四宮さんはいい子だよ。だからこそ心配だね」

「……」

「大事に思うならなおさら……応えてやる気がないなら手放してやれ」
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