ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「えーっと、なに? 俺が行くわ」
空気を察してくださった柳瀬部長がタバコを灰皿に押し付けてそんな風に言ってくれた。
「あとで、なんて言わずに今どうぞ?」
「すみません、お気を遣わせてしまいまして……」
「いやいや、タイミング大事よね?」
ニコリ、いつもの気さくな笑顔に頭を下げる。
「ありがとうございます」
「うんうん、ゆっくり話して~? なんならここ立ち入り禁止ってみんなに言っておこうか?」
「柳瀬っ!」
呆れたように、でも少し怒った口調で柳瀬部長の軽口を嗜める安積さん。火傷してないかな、とは思ったが大丈夫そうである。
「時間なくなっちゃうから、どうぞどうぞ」
ひらひら手を振って颯爽と出て行かれてしまい、喫煙ルームはシンッとしてしまう。
急に訪れた二人きり、それを望んだのは私だけれどやはりまた急激に緊張はする。
だって近々で振られた相手なのだ。線を引かれて、来るなと言われたようなもの、それを分かって無視して距離を詰めた。より嫌われるかもしれない……その思いはあるものの恐る恐る見上げると……目があった。
空気を察してくださった柳瀬部長がタバコを灰皿に押し付けてそんな風に言ってくれた。
「あとで、なんて言わずに今どうぞ?」
「すみません、お気を遣わせてしまいまして……」
「いやいや、タイミング大事よね?」
ニコリ、いつもの気さくな笑顔に頭を下げる。
「ありがとうございます」
「うんうん、ゆっくり話して~? なんならここ立ち入り禁止ってみんなに言っておこうか?」
「柳瀬っ!」
呆れたように、でも少し怒った口調で柳瀬部長の軽口を嗜める安積さん。火傷してないかな、とは思ったが大丈夫そうである。
「時間なくなっちゃうから、どうぞどうぞ」
ひらひら手を振って颯爽と出て行かれてしまい、喫煙ルームはシンッとしてしまう。
急に訪れた二人きり、それを望んだのは私だけれどやはりまた急激に緊張はする。
だって近々で振られた相手なのだ。線を引かれて、来るなと言われたようなもの、それを分かって無視して距離を詰めた。より嫌われるかもしれない……その思いはあるものの恐る恐る見上げると……目があった。