ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 背の高い安積さんとは少し身長差がある。私は百六十センチもないほどなのでしっかりと安積さんを見上げないといけない、それくらいの身長差だ。

「すり合わせないといけないことはあるかもしれないけれど……了承した、という意味だ」

「え」

「ただし本当に期間は三ヶ月、俺がここを離れるまで。社内の誰にも秘密で期限が来れば終わり、それを約束できるなら」

「え、本気ですか?」

「それを四宮が聞くの? 冗談ならこの話はなしで」

「ほ、本気です! 私は本気です! 冗談じゃありません!」

 必死で言い返したらまたプッと吹き出して、困ったような表情。でも今まで見せてくれた困った顔じゃない。

 しょうがないな、そんな甘さを含んだ優しい顔だからまた胸が弾ける。

(嘘……うそ、うそ、うそっ!)

「本当に、私の恋人になってくださるんですか?」

「三ヶ月の……期間限定の恋人な?」

「あ、ありがとうございますっ!」

 飛び跳ねるような勢いで声を荒げたらついに声に出して笑われた。

「負けた。四宮には」
< 36 / 248 >

この作品をシェア

pagetop