ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「好きです」

 一瞬、何を言っているのか全く分からなかった。
 
「……う、ん? うん? なにが?」

「あなたが好きです」

(は?)
 
「……何の話?」

 思わず素になって聞いてしまった。
 
「告白です」

 まさかの告白、なぜ告白なのか。そもそも本気なのか? あり得るはずがないと思っていた、だって彼女は……。

「二十四です」

(いや、わっかいなっ!)

 年齢を聞いてより衝撃を受ける。若いのは知っていたがはっきりした年齢まで認知して覚えていたわけではない。それでも聞いて無視できるわけがなかった。俺とひとまわりも違うのだから。

(ありえん……そんでなんでこんなにケロッとしてんだ、こいつは!)
 
「別に聞かれても気になりませんが」

「俺は気にする」

 なぜ気にならないのか、むしろ気にしてくれと訴えたくなる。
 
「もう少し、冷静に考えた方がいいんじゃないかな」

 俺こそ冷静にならねば、その思いで必死に頭の中を整理しているのに四宮はどんどん爆弾を投げてくる。
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