ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 逃げるばかりの俺に、必死でしがみ付こうとするその姿に苦しくなった。

 いい大人が、それも年齢を言い訳にする。そんな相手を大人と思って真摯にぶつかってくる女の子にどこまで言い訳を述べるのだと。

 逃げて逃げて……慣れてきた。

 でもぶつかられてこられることには慣れてないんだ。
 
 こんな風にぶつかってこられて――逃げきれるわけがない。


「わかった」

 その言葉がこぼれたのは無意識だった。なのに四宮の方が呆気に取られた顔をするからおかしくなる。

「自分からぶっ飛んだこと言ってきて、ボーッとするの何?」

「す、すみません……」

 指摘したらかぁぁ、っと頬が赤くなってその素直な表情を見ると、ああ四宮だなと実感して。
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