罪深く、私を奪って。
「あ、あの……私、やっぱり」
「その恰好でこの時間に外に出たいっていうなら、別に止めないけど?」
玄関のドアの前で立ち尽くす私を見て、石井さんは冷たくそう言った。
……確かに。
フリースのパーカーにショートパンツという部屋着で、しかも足元は素足にミュール。
その上財布も携帯電話も持ってないのに。
この部屋の中に入れてもらう以外の選択肢なんて思いつかない。
しょうがない。
しょうがないんだ。
そう心の中で繰り返して、こんな深夜に彼女がいる男の人の部屋に入る罪悪感を誤魔化した。
石井さんはリビングのドアを開けると、私に入るように促した。
1LDKのマンション。
男の一人暮らしらしく、飾り気の無いガランとした室内。
無駄な物がないというか、殺風景というか。
すごく石井さんらしい部屋だ。
「寒くないか?」
「あ、大丈夫です」
「……そういうの、面倒くさい」
面倒くさいって……。
ただ普通に返事をしただけなのに、なんでそんな風に言われないといけないの?
その冷たい言動に驚いて石井さんの顔を見ると、彼は乱暴に私の手を取った。
「大丈夫じゃないだろ。さっきからガタガタ震えてんのに。いちいち遠慮すんなよ面倒くさい」
彼の大きな手に捕まれた私の手は、確かに小さく震えていた。
石井さんはため息をつきながら、私をソファーに座らせて柔らかいブランケットで私の肩を抱くように包んだ。
「その恰好でこの時間に外に出たいっていうなら、別に止めないけど?」
玄関のドアの前で立ち尽くす私を見て、石井さんは冷たくそう言った。
……確かに。
フリースのパーカーにショートパンツという部屋着で、しかも足元は素足にミュール。
その上財布も携帯電話も持ってないのに。
この部屋の中に入れてもらう以外の選択肢なんて思いつかない。
しょうがない。
しょうがないんだ。
そう心の中で繰り返して、こんな深夜に彼女がいる男の人の部屋に入る罪悪感を誤魔化した。
石井さんはリビングのドアを開けると、私に入るように促した。
1LDKのマンション。
男の一人暮らしらしく、飾り気の無いガランとした室内。
無駄な物がないというか、殺風景というか。
すごく石井さんらしい部屋だ。
「寒くないか?」
「あ、大丈夫です」
「……そういうの、面倒くさい」
面倒くさいって……。
ただ普通に返事をしただけなのに、なんでそんな風に言われないといけないの?
その冷たい言動に驚いて石井さんの顔を見ると、彼は乱暴に私の手を取った。
「大丈夫じゃないだろ。さっきからガタガタ震えてんのに。いちいち遠慮すんなよ面倒くさい」
彼の大きな手に捕まれた私の手は、確かに小さく震えていた。
石井さんはため息をつきながら、私をソファーに座らせて柔らかいブランケットで私の肩を抱くように包んだ。