罪深く、私を奪って。
お世辞じゃなく、彼は働いてる時よりもずっと明るく見えた。
彼もまんざらではないらしく、少し嬉しそうに笑う。
「それは仕事を辞めたからじゃなくて、野村さんにきっぱり振られたからですよ」
そんな返答に困ることを言われて、私は曖昧に笑って首を傾げた。
振った事を感謝されてるみたいで、なんだか複雑だ。
「野村さんもきっぱり振られてみたらわかりますよ」
「…………」
「さっき、休憩室で話してるの聞こえました。あの、営業の女の人と石井、付き合ってたんですね。知らなかったな」
どうやらさっきの会話から、私の心の中まですっかりお見通しらしい。
黙り込んだ私に、勝ち誇ったように得意気に沼田さんは眼鏡を指で押し上げた。
「結婚してからなら洒落にならないけど、今ならまだギリギリ間に合うんじゃないですか?」
「でも……。結果が分かってるのに、告白なんて」
「それを僕を目の前にして言います? つい2日前に玉砕するってわかりきってて野村さんに告白したばかりの僕に」
確かに。
自虐的に笑う沼田さんに思わず吹き出した。
「僕は告白してよかったと思いますよ。少なくとも、あの時ああしてればよかったなんて後悔をこの先引きずらずに済む。まぁ、相手に気持ちを伝えるのか、それとも黙って二人の結婚を祝うのか。どちらでも野村さんの自由ですけど」
私の自由だ。
そう言いながら、沼田さんは私を迷わすようなことを言う。
彼もまんざらではないらしく、少し嬉しそうに笑う。
「それは仕事を辞めたからじゃなくて、野村さんにきっぱり振られたからですよ」
そんな返答に困ることを言われて、私は曖昧に笑って首を傾げた。
振った事を感謝されてるみたいで、なんだか複雑だ。
「野村さんもきっぱり振られてみたらわかりますよ」
「…………」
「さっき、休憩室で話してるの聞こえました。あの、営業の女の人と石井、付き合ってたんですね。知らなかったな」
どうやらさっきの会話から、私の心の中まですっかりお見通しらしい。
黙り込んだ私に、勝ち誇ったように得意気に沼田さんは眼鏡を指で押し上げた。
「結婚してからなら洒落にならないけど、今ならまだギリギリ間に合うんじゃないですか?」
「でも……。結果が分かってるのに、告白なんて」
「それを僕を目の前にして言います? つい2日前に玉砕するってわかりきってて野村さんに告白したばかりの僕に」
確かに。
自虐的に笑う沼田さんに思わず吹き出した。
「僕は告白してよかったと思いますよ。少なくとも、あの時ああしてればよかったなんて後悔をこの先引きずらずに済む。まぁ、相手に気持ちを伝えるのか、それとも黙って二人の結婚を祝うのか。どちらでも野村さんの自由ですけど」
私の自由だ。
そう言いながら、沼田さんは私を迷わすようなことを言う。