罪深く、私を奪って。
私は歩いていく石井さんの後姿を追いかけた。
「ま、待ってください……」
休憩室を抜けて、エレベーターホールの前でようやく石井さんに追いついた。
息を切らせて追いかけてきた私を、彼は冷たい表情で振り返り、
「何?」
微かに首を傾けて見下ろした。
いつか、石井さんの部屋に泊まった朝の、あのリラックスした優しい表情とは別人のように冷たい瞳で私を見る。
「あ、あの……。さっきのは永瀬さんがふざけていただけで……」
私は何を言いたいんだろう。
そんな事、石井さんはどうでもいいに決まってるのに。
「だから?」
私が言わなくちゃならないのは、そんな事じゃなくて。
「き、聞きました。亜紀さんに。明日結納だって……」
「ふーん」
そうじゃなくて、そうじゃなくて。
「あ、あの……」
ちゃんと喋ろうと思えば思うほど、頭が真っ白になって声が震えた。
そんな私に石井さんは小さく舌打ちをした。
いつまでも要領を得ない私の態度に苛立ったのか、石井さんは私の腕を乱暴に掴むと、廊下にあったひとつの部屋のドアを開けた。
私を強引に部屋に入れると、バタンと音をたててドアを閉める。
そこは、普段使われる事の無い、半分物置と化した第三会議室。
「何なんだよ。はっきり言えよ」
閉じたドアに私の体を強く押し付けて、ゆっくりと息を吐きながら耳元でそう言った。
「お前見てると、イライラする。本当に」
「ま、待ってください……」
休憩室を抜けて、エレベーターホールの前でようやく石井さんに追いついた。
息を切らせて追いかけてきた私を、彼は冷たい表情で振り返り、
「何?」
微かに首を傾けて見下ろした。
いつか、石井さんの部屋に泊まった朝の、あのリラックスした優しい表情とは別人のように冷たい瞳で私を見る。
「あ、あの……。さっきのは永瀬さんがふざけていただけで……」
私は何を言いたいんだろう。
そんな事、石井さんはどうでもいいに決まってるのに。
「だから?」
私が言わなくちゃならないのは、そんな事じゃなくて。
「き、聞きました。亜紀さんに。明日結納だって……」
「ふーん」
そうじゃなくて、そうじゃなくて。
「あ、あの……」
ちゃんと喋ろうと思えば思うほど、頭が真っ白になって声が震えた。
そんな私に石井さんは小さく舌打ちをした。
いつまでも要領を得ない私の態度に苛立ったのか、石井さんは私の腕を乱暴に掴むと、廊下にあったひとつの部屋のドアを開けた。
私を強引に部屋に入れると、バタンと音をたててドアを閉める。
そこは、普段使われる事の無い、半分物置と化した第三会議室。
「何なんだよ。はっきり言えよ」
閉じたドアに私の体を強く押し付けて、ゆっくりと息を吐きながら耳元でそう言った。
「お前見てると、イライラする。本当に」