罪深く、私を奪って。
「ど、どうして私がお見合いしている場所がわかったんですか?」
玄関から、靴を脱いで廊下に。
「ああ、亜紀が電話してきた。詩織があのホテルで見合いするって」
廊下から、リビングに。
「なんで亜紀さんが……?」
「あいつら知ってたから」
まるで距離を取るように。
「知ってたって、何をですか?」
そうやって問答を繰り返しながら、石井さんが一歩進むたびに私が一歩後ずさる。
「追いかけっこかよ」
リビングの端の壁際まで私を追い詰めた石井さんが小さく笑った。
だって、距離をとらないと冷静でいられないから。
これ以上近づいたら本当に考えることを放棄して石井さんに流されてしまいそうだ。
「あいつら、俺が詩織を好きだって知ってたから」
「……っ!」
この人はずるい。本当に。
不意打ちにもほどがある。
その声で名前を呼ばれるだけで、こんなにも動揺してるっていうのに。
その上好きだなんて言われて、私が冷静でいられるはずがない。
反則だ。確実に。
壁際で追い詰められた私を見て、石井さんがくすりと笑った。
好きと言われた私が泣きたいくらい緊張してるのに。
どうして好きと言った本人はこんなに余裕な顔をしてるんだろう。
そんな事を考えていると、彼の腕が私の後ろへとのびてきた。
だ、抱きしめられる?
そう思って体を強張らせる。
けれど、その腕は私に触れることなく、ガチャリと音をたてて背後にある扉を開けた。
玄関から、靴を脱いで廊下に。
「ああ、亜紀が電話してきた。詩織があのホテルで見合いするって」
廊下から、リビングに。
「なんで亜紀さんが……?」
「あいつら知ってたから」
まるで距離を取るように。
「知ってたって、何をですか?」
そうやって問答を繰り返しながら、石井さんが一歩進むたびに私が一歩後ずさる。
「追いかけっこかよ」
リビングの端の壁際まで私を追い詰めた石井さんが小さく笑った。
だって、距離をとらないと冷静でいられないから。
これ以上近づいたら本当に考えることを放棄して石井さんに流されてしまいそうだ。
「あいつら、俺が詩織を好きだって知ってたから」
「……っ!」
この人はずるい。本当に。
不意打ちにもほどがある。
その声で名前を呼ばれるだけで、こんなにも動揺してるっていうのに。
その上好きだなんて言われて、私が冷静でいられるはずがない。
反則だ。確実に。
壁際で追い詰められた私を見て、石井さんがくすりと笑った。
好きと言われた私が泣きたいくらい緊張してるのに。
どうして好きと言った本人はこんなに余裕な顔をしてるんだろう。
そんな事を考えていると、彼の腕が私の後ろへとのびてきた。
だ、抱きしめられる?
そう思って体を強張らせる。
けれど、その腕は私に触れることなく、ガチャリと音をたてて背後にある扉を開けた。