罪深く、私を奪って。
いつも煙草の匂いがする石井さんが、あの日送ってくれた車の中では煙草を吸ってなかった。
それに、二人で食事に行ったときもそう。
胸ポケットから出した煙草の箱。
だけどそこから煙草を取り出すことはなく、テーブルの隅に置かれたままだった。
もしかして石井さん、私の前では煙草を我慢してくれていた?
……いや、そんなわけない。
たまたまだ。
亜紀さんも言ってたじゃない。
『人の迷惑考えずに煙草を吸う』って。
結婚を約束する素敵な彼女がいるくせに、平気で他の女にキスをするような男。
そんな酷い男が、煙草なんてそんな些細な事を気にするわけがない。
蘇ったあの石井さんの煙草の残り香を、振り払うように頭を振った。
「詩織どうかした?」
「ごめんなさい、なんでもないです」
亜紀さんの問いかけに、我に返った。
いやだ、またうわの空になってた。
最近石井さんの事を考えると、いつもそうだ。
ぼんやりしすぎて周りの音が聞こえなくなる。
我ながら注意力が散漫すぎるなと思いながら、軽く握った拳で自分のおでこをコツコツと叩いた。
「詩織ちゃん最近メイク変えた?」
突然、至近距離で聞こえた男の人の声に、驚いて顔を上げると、目を伏せていた私の顔を覗き込むように永瀬さんがテーブルに両肘をついてしゃがみ込んでいた。
「……え!?」
びっくりした。
永瀬さん、喫煙スペースで煙草を吸っていたはずなのに、いつのまに。
それに、二人で食事に行ったときもそう。
胸ポケットから出した煙草の箱。
だけどそこから煙草を取り出すことはなく、テーブルの隅に置かれたままだった。
もしかして石井さん、私の前では煙草を我慢してくれていた?
……いや、そんなわけない。
たまたまだ。
亜紀さんも言ってたじゃない。
『人の迷惑考えずに煙草を吸う』って。
結婚を約束する素敵な彼女がいるくせに、平気で他の女にキスをするような男。
そんな酷い男が、煙草なんてそんな些細な事を気にするわけがない。
蘇ったあの石井さんの煙草の残り香を、振り払うように頭を振った。
「詩織どうかした?」
「ごめんなさい、なんでもないです」
亜紀さんの問いかけに、我に返った。
いやだ、またうわの空になってた。
最近石井さんの事を考えると、いつもそうだ。
ぼんやりしすぎて周りの音が聞こえなくなる。
我ながら注意力が散漫すぎるなと思いながら、軽く握った拳で自分のおでこをコツコツと叩いた。
「詩織ちゃん最近メイク変えた?」
突然、至近距離で聞こえた男の人の声に、驚いて顔を上げると、目を伏せていた私の顔を覗き込むように永瀬さんがテーブルに両肘をついてしゃがみ込んでいた。
「……え!?」
びっくりした。
永瀬さん、喫煙スペースで煙草を吸っていたはずなのに、いつのまに。