罪深く、私を奪って。
ふん、と鼻をならしてそう言った亜紀さんに、永瀬さんは思いきり傷ついた顔をした。
「うわ。俺が気にしてることをハッキリ言うなよ。どうしてこんなフレンドリーな俺より、あんな愛想のない石井が人気なのか納得できない。ねぇ、詩織ちゃん。詩織ちゃんは俺と石井ならどっちがいい男だと思う?」
仲良く言い争う二人をぼんやりと眺めていたら
突然私に話の矛先が向いて、驚いて顔を上げた。
「……え?」
「あ、私も気になるかも。詩織の好みの男のタイプって聞いたことなかったよね」
「石井さんって、企画開発部のですよね……?」
そう言って、記憶の中から石井さんの顔を探し出し思い浮かべる。
永瀬さんと石井さんは、確かに二人とも女子社員の注目を集めるイケメンだとは思うけど……。
気さくで明るくていつも笑顔のイメージの永瀬さんと、それとは正反対の、整って綺麗な顔をしているんだけど、表情が冷たくて近寄りがたい雰囲気の石井さん。
その近寄り難さがいいって女の子もたくさんいるらしいけど。
「私、石井さんとちゃんと話した事がないから、よくわからないです」
「あれ。詩織って石井と面識ないんだっけ?」
私が首を振ると、亜紀さんが驚いたように目を丸くした。
「一応石井さんとは同期入社ですけど。入社試験と入社式の時一緒になったくらいで、全然話したことないですよ」
「うわ。俺が気にしてることをハッキリ言うなよ。どうしてこんなフレンドリーな俺より、あんな愛想のない石井が人気なのか納得できない。ねぇ、詩織ちゃん。詩織ちゃんは俺と石井ならどっちがいい男だと思う?」
仲良く言い争う二人をぼんやりと眺めていたら
突然私に話の矛先が向いて、驚いて顔を上げた。
「……え?」
「あ、私も気になるかも。詩織の好みの男のタイプって聞いたことなかったよね」
「石井さんって、企画開発部のですよね……?」
そう言って、記憶の中から石井さんの顔を探し出し思い浮かべる。
永瀬さんと石井さんは、確かに二人とも女子社員の注目を集めるイケメンだとは思うけど……。
気さくで明るくていつも笑顔のイメージの永瀬さんと、それとは正反対の、整って綺麗な顔をしているんだけど、表情が冷たくて近寄りがたい雰囲気の石井さん。
その近寄り難さがいいって女の子もたくさんいるらしいけど。
「私、石井さんとちゃんと話した事がないから、よくわからないです」
「あれ。詩織って石井と面識ないんだっけ?」
私が首を振ると、亜紀さんが驚いたように目を丸くした。
「一応石井さんとは同期入社ですけど。入社試験と入社式の時一緒になったくらいで、全然話したことないですよ」