罪深く、私を奪って。
受付の仕事をしてる私と企画開発部の石井さんとじゃ、同じ社内でも接点なんてほとんどもないし。
こうやって違う部署の亜紀さんや永瀬さんと仲良くしてもらってるのだって、フレンドリーなふたりが頻繁に私に話しかけてくれるからで。
そうじゃなかったら引っ込み思案な私が、二人と親しくなるきっかけなんてなかったと思う。
「それじゃあ、詩織ちゃんは石井より俺派ってことだよね? うれしいなぁ」
やったね! と、嬉しそうに言いながら、永瀬さんが私の髪をなでた。
別に永瀬さん派ってわけでもないんだけど。
わざわざ否定するのも失礼かなと思って、小さく首を傾げた。
「ちょっと、永瀬! 馴れ馴れしく詩織にさわるな」
「なに亜紀、ヤキモチ?」
「何言ってんの。私があんた相手にヤキモチなんてやくわけないじゃん」
「かわいくねー」
なんて、賑やかに言い合う二人。
本当に仲がいいなぁ。
気を使わず何でも言い合える二人の関係がうらやましい。
「あ、悪い。電話だ」
その時、どこからかバイブの音が聞こえてきたかと思うと、永瀬さんがスーツの内ポケットから携帯電話を取り出した。
「はいもしもし、永瀬です」
今まで亜紀さんと笑顔で言い合っていた時とは違う、余所行きの声でそう言って、携帯電話を耳に当てながら私たちに目配せをして席を立つ。
「仕事の電話ですかね」
こうやって違う部署の亜紀さんや永瀬さんと仲良くしてもらってるのだって、フレンドリーなふたりが頻繁に私に話しかけてくれるからで。
そうじゃなかったら引っ込み思案な私が、二人と親しくなるきっかけなんてなかったと思う。
「それじゃあ、詩織ちゃんは石井より俺派ってことだよね? うれしいなぁ」
やったね! と、嬉しそうに言いながら、永瀬さんが私の髪をなでた。
別に永瀬さん派ってわけでもないんだけど。
わざわざ否定するのも失礼かなと思って、小さく首を傾げた。
「ちょっと、永瀬! 馴れ馴れしく詩織にさわるな」
「なに亜紀、ヤキモチ?」
「何言ってんの。私があんた相手にヤキモチなんてやくわけないじゃん」
「かわいくねー」
なんて、賑やかに言い合う二人。
本当に仲がいいなぁ。
気を使わず何でも言い合える二人の関係がうらやましい。
「あ、悪い。電話だ」
その時、どこからかバイブの音が聞こえてきたかと思うと、永瀬さんがスーツの内ポケットから携帯電話を取り出した。
「はいもしもし、永瀬です」
今まで亜紀さんと笑顔で言い合っていた時とは違う、余所行きの声でそう言って、携帯電話を耳に当てながら私たちに目配せをして席を立つ。
「仕事の電話ですかね」