罪深く、私を奪って。
そう言って紙袋が私の膝の上にぽんと置かれた。
シフトレバーを操作してまた走り出す車。
「開けてみて?」
前を向いたままの永瀬さんに促されて恐る恐る紙袋を開けると、
「これ……」
そこに入っていたのは、あのビーズ刺繍のミュール。
しかも、私が可愛いと思ってたスミレ色の。
「どうして?」
「どうして? じゃないっての」
膝の上のミュールを見下ろしてぽかんとする私を、叱るように永瀬さんが言った。
「あそこで詩織ちゃんが遠慮する必要なんてなかっただろ。本当は欲しかったくせに」
……確かに可愛いなと思ってたけど。
本当は、欲しいなと思ったけど。
我慢してる人を横目に自分だけ貰うなんて、私にはとてもできないから。
だから遠慮したのに。
別に無理に我慢したわけじゃなくて、その方が私の気持ちが楽だからそうしただけなのに。
「どうせ亜紀はこういうのいらないって言うだろうと思って、俺が詩織ちゃんの分確保しといた」
「じゃあ、亜紀さんは貰えなかったんですか?」
「あいつはいいの! こんな可愛いミュール履くようなキャラじゃないから」
「でも……」
元々は営業部の課長さんが、営業の女の子たちの為に買ってきたものなのに。
ミュールが入った紙袋を抱えたまま、戸惑いながら永瀬さんを見る。
「でもじゃないってば」
運転席から永瀬さんの腕が伸びてきて、ぽんと私の頭を優しく叩いた。
シフトレバーを操作してまた走り出す車。
「開けてみて?」
前を向いたままの永瀬さんに促されて恐る恐る紙袋を開けると、
「これ……」
そこに入っていたのは、あのビーズ刺繍のミュール。
しかも、私が可愛いと思ってたスミレ色の。
「どうして?」
「どうして? じゃないっての」
膝の上のミュールを見下ろしてぽかんとする私を、叱るように永瀬さんが言った。
「あそこで詩織ちゃんが遠慮する必要なんてなかっただろ。本当は欲しかったくせに」
……確かに可愛いなと思ってたけど。
本当は、欲しいなと思ったけど。
我慢してる人を横目に自分だけ貰うなんて、私にはとてもできないから。
だから遠慮したのに。
別に無理に我慢したわけじゃなくて、その方が私の気持ちが楽だからそうしただけなのに。
「どうせ亜紀はこういうのいらないって言うだろうと思って、俺が詩織ちゃんの分確保しといた」
「じゃあ、亜紀さんは貰えなかったんですか?」
「あいつはいいの! こんな可愛いミュール履くようなキャラじゃないから」
「でも……」
元々は営業部の課長さんが、営業の女の子たちの為に買ってきたものなのに。
ミュールが入った紙袋を抱えたまま、戸惑いながら永瀬さんを見る。
「でもじゃないってば」
運転席から永瀬さんの腕が伸びてきて、ぽんと私の頭を優しく叩いた。