罪深く、私を奪って。
そしてさらに厄介な事に、私も永瀬さんになら自分のコンプレックスの原因を聞いてもらいたいだなんて、甘えたことを思ってしまっている。
細く開けていた窓を閉じると、それまで聞こえていた風を切る音が遠ざかって、車内が一気に静かになった。
「……大したことじゃないんですけど。よくある話なんですけど」
助手席の窓の外を後ろに流れていく景色を見ながらそう口を開く。
永瀬さんの顔は見えないけど、静かに聞いていてくれるのが気配でわかった。
「小学6年生の時、少しだけ苛められていたことがあるんです。それが悪意のある苛めだったのか、幼い女の子たちの単なる気まぐれだったのか。未だによくわからないけど。その頃の私にとってはすごくショックな出来事だったんです」
吐き出すようにそう言うと、永瀬さんは話しの続きを促すように優しく「うん」とだけつぶやいた。
「確か、3学期がはじまったくらいだったかな。ある日学校に行ったら、突然クラス中の女の子たちから無視されるようになったんです。昨日までは普通に話して仲良く一緒に遊んでいたはずの友達が、私なんて存在してないみたいにまった話しかけてくれなくなって。誰も近寄ってこなくなって。自分の何が彼女たちを怒らせてしまったのかまったくわからなくて。
すごく悲しくて、怖くて……」
それから自分から何かをするのが怖くなってしまった。
人前で何かを発言するのも、自分で何かを選ぶのも。
細く開けていた窓を閉じると、それまで聞こえていた風を切る音が遠ざかって、車内が一気に静かになった。
「……大したことじゃないんですけど。よくある話なんですけど」
助手席の窓の外を後ろに流れていく景色を見ながらそう口を開く。
永瀬さんの顔は見えないけど、静かに聞いていてくれるのが気配でわかった。
「小学6年生の時、少しだけ苛められていたことがあるんです。それが悪意のある苛めだったのか、幼い女の子たちの単なる気まぐれだったのか。未だによくわからないけど。その頃の私にとってはすごくショックな出来事だったんです」
吐き出すようにそう言うと、永瀬さんは話しの続きを促すように優しく「うん」とだけつぶやいた。
「確か、3学期がはじまったくらいだったかな。ある日学校に行ったら、突然クラス中の女の子たちから無視されるようになったんです。昨日までは普通に話して仲良く一緒に遊んでいたはずの友達が、私なんて存在してないみたいにまった話しかけてくれなくなって。誰も近寄ってこなくなって。自分の何が彼女たちを怒らせてしまったのかまったくわからなくて。
すごく悲しくて、怖くて……」
それから自分から何かをするのが怖くなってしまった。
人前で何かを発言するのも、自分で何かを選ぶのも。