罪深く、私を奪って。

そして永瀬さんの車が走り去るまで、しっかりと写真に収められていた。
……なんで？
一体誰がこんな写真を撮って、わざわざ私の部屋の郵便受けに入れたの？
目的は分からない。
私に何を言いたかったのかさっぱり見当もつかない。
だけど少なくとも私に悪意を持った誰かが、昨日永瀬さんに送ってもらった時、どこかに隠れて写真を撮っていたのは確かだ。
そしてわざわざその写真をプリントして、私の部屋の前までやってきた。
わざと目につくような入れ方で、写真の入った封筒を郵便受けに挟んだ。
確実に、ここに誰かが来たんだ。
中傷のメールなんて曖昧なものではなく、実際に目の前に突き付けられた悪意。
ガクガクと足が震え、頭が真っ白になった。
私の目の前に立つ石井さんが、苛立ったように舌打ちをした。
足元に散らばった写真を乱暴に拾い集め、ジャケットのポケットの中へと押し込む。
そして、私の手の中から鍵を奪うように取ると、部屋のドアを開けた。
「さっさと入れ」
まるで何かから庇うように私の肩を抱き、耳元で低く言う。
私は何も考えられないまま、その言葉に従い彼が開いたドアの中に入った。
見慣れた狭い玄関スペース。
バタン、と音を立ててドアが閉まり外界から遮断された。
「大丈夫か？」
手で口を覆ったまま固まっていた私に、石井さんは低い声で問いかける。
「あ、大丈夫です……」