地球最後の日
ー……
『美優へ』
さっきまで一緒にいた人に手紙を書くのはなんだか変な感じ。
それに相手が美優だなんて。
でもたまにはこういうのもいいよね。
あたしたちの間がらで手紙だからって敬語とか使うのはヘンだし、ムズがゆい感じがするからいつも通りのあたしのままで手紙を書くね。
あたしが手紙を書こうと思ったきっかけは美優に隠し事があるから。
でもあたし口下手だし上手く言える自信がなくて。
あるメッセージをきっかけに手紙を書くことにした。
本当は直接言いたくて「言いたいことがある」って言ったけどもう時間がないことに気がついて焦ってこんな形になってごめん。
「親友だから隠し事なんかしたくない」って言ったこともあったけどあの時にはもう美優に隠してたことがあったの。
その隠し事っていうのはね実はあたし、1週間前くらいから長嶋くんと付き合ってるの。
ずっと黙って嘘ついてて本当にごめんなさい。
言うつもりだったんだ。
学校で告白されたしその日も美優と帰ってたし。
でも臆病なあたしはそれを言ってしまったら美優がどこか行ってしまう気がした。
優しい美優なら絶対にあたしたちに気を使うと思うから。
それがすっごく怖かった。
今の関係が大切で壊したくなかったの。
全部臆病なあたしのイイワケ。
それでも、美優なら許してくれるかもって甘えてるあたしがいる。
誰よりもあたしの恋を応援してくれたから。
どんな時もいちばん近くにいてくれたから。
こんな友だちでごめんね。
幻滅したかな。あきれちゃったかな。
当然だよ。
でも、これだけは信じて。
あたしの大切な人に美優はずっと入ってて、これからもそれが変わることはないからね!
ずっとずーっと美優はあたしの大切で唯一無二の親友だから!
美優がどう思ってもあたしはそう思い続ける。
それくらい大切なんだよ。
最後までごめんねばっかりでごめんね。
こんなあたしの手を引いてくれたこと、
あのゾウのはな公園で遊んだときのこと、
たくさんの思い出、絶対に忘れないよ。
いつもあたしと一緒にいてくれてありがとう。
手を繋いでくれてありがとう。
笑顔を見せてくれてありがとう。
大好き。
理沙より
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