偽装婚約しませんか!?
「……お名前で呼んでもよろしいのですか? いくら便宜上の婚約者になるとはいえ、殿下とは昨日が初対面でしたし、さすがにちょっと不敬が過ぎるような……」
こちとら王族のパイプなど何一つない、田舎貴族の娘だ。
ぽっと出の子爵令嬢が王子に見初められたという建前を用意しても、王族へ不敬を働いてもいい免罪符にはならない。王子が自分のお気に入りを呼び捨てにするのと、ヴィオラのような小娘が王族の名前を直接口にするのは天と地ほどの差がある。恐れ多いにもほどがある。
殿下呼びで我慢してもらいたいなと思っていると、ローレンスは先回りするようにヴィオラの懸念を取り除く。
「周囲が納得できるほどの親密さを出すためには、他人行儀な呼び方では勘ぐる者も多いだろう。俺たちは本物の恋人になりきらなくてはならない。物理的距離は少しずつ縮めていくとして、口調ぐらいは恋人らしさをアピールしても問題ない」
「…………確かにそうですね。では、ローレンスさま。明日からは婚約者役をしっかり務めさせていただきますので、細かい点はその都度調整していきましょう」
「そうだな。よろしく頼む」
こちとら王族のパイプなど何一つない、田舎貴族の娘だ。
ぽっと出の子爵令嬢が王子に見初められたという建前を用意しても、王族へ不敬を働いてもいい免罪符にはならない。王子が自分のお気に入りを呼び捨てにするのと、ヴィオラのような小娘が王族の名前を直接口にするのは天と地ほどの差がある。恐れ多いにもほどがある。
殿下呼びで我慢してもらいたいなと思っていると、ローレンスは先回りするようにヴィオラの懸念を取り除く。
「周囲が納得できるほどの親密さを出すためには、他人行儀な呼び方では勘ぐる者も多いだろう。俺たちは本物の恋人になりきらなくてはならない。物理的距離は少しずつ縮めていくとして、口調ぐらいは恋人らしさをアピールしても問題ない」
「…………確かにそうですね。では、ローレンスさま。明日からは婚約者役をしっかり務めさせていただきますので、細かい点はその都度調整していきましょう」
「そうだな。よろしく頼む」