偽装婚約しませんか!?
先王が急逝して即位して間もない若き王は、妖精の祝福を受けたような類い稀なる美男という噂だ。あれほど自分の容姿に見劣りしない伴侶を求めていた彼女のことだ。麗しの新王は、きっとセリーヌ皇女のお眼鏡にかなったのだろう。
(夢の時間もこれでおしまい。……ローレンスさまは晴れて自由の身。彼の横にいるべきなのはわたくしではない。田舎令嬢とはいえ、引き際は弁えなくては。ちゃんと笑顔のままお別れするんだ。うん、できる!)
本音を言えば、もう少し一緒にいたかった。
けれども、これは期間限定の関係だ。いつかは終わりが来る。それが予定より少し早まっただけだ。みっともなくすがる姿は見せたくない。
気丈に。なんでもないように振る舞え。仮とはいえ、第二王子の婚約者なのだから。
「これでお役目は果たせましたね。わたくしはいつでも構いませんから、殿下の都合のよいときに婚約を白紙になさってください」
王族専用のサロンで開かれたお茶会で、ヴィオラは世間話のように話を振る。
きっと大丈夫。淑女の笑みは崩れていないはずだ。何度もこの日のためにシミュレーションしていたのだから。
(夢の時間もこれでおしまい。……ローレンスさまは晴れて自由の身。彼の横にいるべきなのはわたくしではない。田舎令嬢とはいえ、引き際は弁えなくては。ちゃんと笑顔のままお別れするんだ。うん、できる!)
本音を言えば、もう少し一緒にいたかった。
けれども、これは期間限定の関係だ。いつかは終わりが来る。それが予定より少し早まっただけだ。みっともなくすがる姿は見せたくない。
気丈に。なんでもないように振る舞え。仮とはいえ、第二王子の婚約者なのだから。
「これでお役目は果たせましたね。わたくしはいつでも構いませんから、殿下の都合のよいときに婚約を白紙になさってください」
王族専用のサロンで開かれたお茶会で、ヴィオラは世間話のように話を振る。
きっと大丈夫。淑女の笑みは崩れていないはずだ。何度もこの日のためにシミュレーションしていたのだから。