苦手な同僚が同担だった件について。
か、かわいい!?
何を言い出すの?
だけど口にする前に抱きしめられてしまい、竜矢くんの顔が見えない。
「ちょ、ちょっと何言ってるの? そんなわけないじゃない」
「ある。今日も山辺さんが絡んできたじゃん」
「や、山辺さんは酔っぱらってたんじゃないかな……」
「それでも無理。かけるに触られたくないし、かけるは俺だけのものだから」
隠そうとしない独占欲を露わにされ、ぶわっと顔が熱くなるのがわかった。
「竜矢くん……?」
もしかして竜矢くん、嫉妬してくれてる?
嫉妬してくれて嬉しいような、竜矢くんが嫉妬するようなタイプだと思ってなかったらすごく意外で戸惑うような……。
とにかく今、心臓の音がうるさい。
「……ごめん、俺ダサいよね」
「え?」
「さっきチャラいって言われたけど、まあ多分そうなんだと思う。自分が八方美人な自覚はあるから」
そう言うと竜矢くんは私のことを離した。
「実は俺、子どもの頃に両親を事故で亡くしてて叔父と叔母に育てられたんだ」
「えっ!? そうだったの……?」
「今の両親はすごく優しくて実の子同然にかわいがってもらったと思ってるんだけど、ずっといい子でいないといけないんだって思いが抜けなかったんだよね。だから自慢の息子だって思ってもらえるように、良い大学入って大手商社にも入った」