苦手な同僚が同担だった件について。
*
少しだけブレイクタイムを取ろうと自販機に行ったら、飛鳥竜矢と会った。
「角田さん! さっきはありがとうございました!」
「いえ、とんでもないです」
「明日大口クライアントの提案があって、そのための資料なんです。角田さんが完璧にまとめてくれたから絶対成功させます!」
「頑張ってください」
我ながら感情のない返事だとは思ったが、早く会話を終わらせたかった。
「何飲むの?」
「コーヒーです」
「俺が奢ります!」
「大丈夫です。気にしないでください、と言ったはずですが」
「俺がお礼したいんだよ!」
飛鳥竜矢は強引にコーヒーを買って私に押し付けてきた。
まあ缶コーヒーくらいなら……と有り難く受け取ることにした。
「ありがとうございます」
「こちらこそ!」
何故かとてもニコニコしている。
要件は済んだはずだからこの場から一刻も早く立ち去りたかった。
「失礼します」と会釈して踵を返した時、持っていた財布を落としてしまう。
「あ……」
落とした財布からチラリと覗くものを見て、私は一瞬にして凍りつく。
桂馬のブロマイドがはみ出ていたからだ。
会社には持って行かないようにしていたのに、財布から抜くのを忘れていた!
「落とされましたよ……あれ」
しかもそれを飛鳥竜矢が拾ってしまったから最悪だ。
「エルナイの成瀬桂馬?」