苦手な同僚が同担だった件について。


 迷いに迷った挙句、私はゴールデンキウイ、竜矢くんはパイナップルを選んだ。
 甘酸っぱくて喉が潤う。


「んー、美味しい」
「パイナップルも美味いよ。飲んでみる?」
「いいの? ありがとう」


 竜矢くんからパイナップルジュースを受け取ってストローに口を付けようとした時、誰かの声がした。


「もしかして、竜矢……?」


 え? と思って振り返る。
 私たちの次に並んでいた女性が、かなり驚いた様子で竜矢くんを凝視していた。


「乃華……?」


 竜矢くんもかなり驚いた表情でその女性のことを呼ぶ。
 知り合いなのかな……?

 何となく気まずい空気が流れたが、「乃華!」と女性を呼ぶ別の男性の声がした。
 彼女の恋人と思われるその男性に呼ばれると、「今行くね!」と答えてやや慌てて彼の元に駆け寄っていってしまう。

 振り返ることなく行ってしまったけど、誰だったんだろう?


「……」


 竜矢くんは何となく気まずいような、複雑そうな表情を浮かべていた。


「ねぇ竜矢くん、あっちに神社があるみたいだよ!」


 何となく触れない方がいいと思って、私は話題を変えた。


「気が早いけどお参りして当選祈願しようよ! ツアーが発表される前に」
「あ……、うん。いいね」


 竜矢くんはさっきよりも元気がなかったけれど、笑ってくれた。

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