苦手な同僚が同担だった件について。


 私たちは小さな神社に訪れた。
 本当にこじんまりした神社だけど、きちんと狛犬がいるしお賽銭箱は結構立派だった。

 ご縁がありますように、という意味を込めてしっかり五円玉を入れて鈴を鳴らす。

 ――竜矢くんと一緒にライブに行けますように。

 なんて、まだやるかどうかも決まってないのに、気が早すぎだよね。
 でも一緒に行けたらいいなぁ。
 静奈はきっと旦那さんと一緒に行くだろうし、そこで顔合わせっていうのもありかもしれない。

 ていうか静奈、結婚式の準備大丈夫なのかな?


「あ、おみくじある! 引いてみようかな」
「かける」
「うん?」
「聞かないの?」


 唐突に尋ねて、竜矢くんはじっと私の目を見つめる。


「……、竜矢くんが言いたくないなら聞かないよ」


 私はニコッと笑って答えた。
 気にならないと言ったら嘘になるけど、無理に聞き出そうとは思わない。
 何となく察することはあるしね。


「かけるが話してくれたから、俺もちゃんと話しておきたい」
「わかった」


 すぐ近くにベンチがあったから、二人並んで腰かけた。
 ちょうど大きな木の木陰で、風がとても涼しくて気持ちいい。


「さっきの、元カノ。浮気されたって言ってた」
「え、あの人が?」


 元カノだろうとは思っていたけど、あの人が浮気した元カノだったなんて。
 見た目は素朴そうというか、とても浮気するような子には見えなかったのでかなり驚いた。
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