苦手な同僚が同担だった件について。
でも今は違う。竜矢くんはみんなに対して優しいけれど、ちゃんと私だけを想ってくれているとわかってる。
それは竜矢くんを見ていればわかることなのに。
「……ありがとう」
竜矢くんはそっと私のことを抱き寄せた。
「好きだよ、かける」
不意打ちの告白は心臓に悪い。
「言葉にしないと伝わらないんだって思ったから、かけるにはちゃんと言う」
「うん……」
「好き、めちゃくちゃ好き」
「わ、わかったから!」
そんなに何度も耳元で言わないで……!
そもそもここ、外なのに!
「ストップ!」
たまらなくなってグイっと胸を押し出す。
いくら今は人がいないからって、外でこういうのは困る。
「伝わった! ちゃんと伝わってるから……」
乃華さんはどうして信じられなかったんだろう?
こんなに真っ直ぐな竜矢くんのことを。
「かけるは?」
「え?」
「かけるは言ってくれないの?」
「あ、あとでね!」
誰かに見られる前に一刻も早く立ち去りたいという思いで立ち上がる。
夕飯の前にお風呂に入りたいし、そろそろ戻らないと間に合わなくなる。
竜矢くんは「え~」なんて言って不満そうにしていたけど、知らんぷりした。