苦手な同僚が同担だった件について。


 夕飯は宅配ピザを頼み、缶ビールや缶チューハイを飲みながら盛り上がった。


「あーー、やばいな。一生語れるわ」
「本当にね……」
「プロジェクトは上手くいかなかったけど、今日でまた頑張ろうって思えた。すごいやる気もらえたわ」
「うん、そうだね」


 竜矢くんがリーダーを務めたプロジェクトは、残念ながらコンペに負けてしまった。
 それでも得られるものは多かったし、次に向けての課題も見つけられたと言っていた。


「てゆーかもうすぐ日付変わるじゃん」
「あ、本当だ。喋り倒してるとあっという間だね」


 明日は日曜日。ライブ後は完全燃焼して疲れ切っているだろうから、ゆっくりのんびり過ごそうということになっていた。
 日付が変わるまであと五秒。
 四、三、二、一。


「かける、誕生日おめでとう」
「えっ」


 急に言われて私は思わず固まってしまう。
 あれ? そうか、日付が変わったということは。


「誕生日になったんだ……」
「やっぱり忘れてた?」
「忘れてた」


 もう桂馬のカッコいい姿やかわいい姿しか思い出せなくて、完全に忘れていた。
 今日で私は二十九歳になるんだ。


「同い年になったね」
「そうだね」
「はい、誕生日プレゼント」
「えっ、ありがとう。用意してくれてたんだ」
「当たり前だよ」

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