苦手な同僚が同担だった件について。
「披露宴の曲は全部エルナイがいいよな」
「そこはマストだけど、問題はどの曲を使うかだよね」
「そこはじっくり選びたい。静奈ちゃんと銀さんの時とは被らない方がいいしね」
「あと、お色直しのドレスはブルーがいいな」
「かけるは絶対そう言うと思った」
そんなことを考えるだけですごく楽しい。
その前に両親に挨拶しなきゃいけないし、会社にも言わなきゃいけないけれど。
「会社に言ったらめちゃくちゃ驚かれるだろうなぁ」
「俺はやっと言えるの嬉しいけどね」
「え、言いたかったの?」
「言いたいよ。かけるは俺だけのものだって」
「……もう、やめてよ」
たまに覗かせる独占欲にはまだ慣れないけれど、愛されていると実感させてくれる。
「これからもよろしくね」
「こちらこそ」
初めて出会った時は、関わり合いたくない苦手な同僚だと思っていた。
恋愛なんて二度としない、結婚なんて有り得ないと思っていた。
推しがいてくれるだけでいい、本気でそう思っていたのに。
それなのに、今ではこんなにも大切で心から愛する人。
この先もずっと一緒にいたいと思える人になるなんて、夢にも思わなかった。
「かける、愛してる」
その言葉に返す前に、唇を塞がれる。
唇が離れ、互いの視線が絡み合って思わず微笑み合う。
今度は私から唇を重ねた。
「私も愛してるよ」
あなたと推しと歩む人生は、きっと楽しいことばかりが待っている。
もちろん大変なことやつらいこともあると思うけど、二人一緒ならきっと笑って乗り越えられる。
この先もずっと、あなたの隣で笑っていたい。
fin.


