苦手な同僚が同担だった件について。
他のアーティストが歌っている時はごはんを食べながら視聴していたけど、エルナイの出番だとわかると二人とも箸を置いて立ち上がる。
「きたーー!!」
「ねぇ、今日の衣装めちゃくちゃ良くない?」
「それな! 全身白衣装カッコいいわ!」
ビジュアルだけで大盛り上がりだ。
歌う前の紹介とトークの時はわあわあ騒いでいたのに、歌が始まると途端に静かになる。
二人とも黙って桂馬と香の歌声に聞き惚れていた。
桂馬の伸びやかで力強い歌声が好きだ。
どんな曲調でも歌い上げる歌唱力と技術を心から尊敬している。
ダンスはダイナミックだけど、指先まで動きが繊細でメリハリがある。
カッコいい、今日も私の推しは世界一カッコいい。
「やばかったな……」
「うん……」
歌唱が終わってから、しばらく二人とも語彙を失っていた。
ただひたすら噛み締めていた。
「やっぱり桂馬がダントツで優勝」
「それな。桂馬も香もなんであんな歌上手いの?」
「あの二人、正直事務所でもダントツで歌上手いと思うの」
「わかる! ぶっちゃけそうだと思う!」
「だよね!」
推しを褒めて褒めちぎり、肯定しかしないマシンガントークは止まらない。
終わってもずっと語り尽くしてしまい、退室十分前の連絡がきてもうすぐ二十一時を過ぎようとしていることに気がついた。
「もうこんな時間?」
「時間溶けるよなぁ」