苦手な同僚が同担だった件について。


 本当にあっという間に時間が溶けてしまった。
 いつも飛鳥さんとの時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。


「本当にありがとう。今日は楽しかった」
「俺も! 思いがけず鑑賞会できてめちゃくちゃ楽しかった!」
「鑑賞会、またやりましょうか。ライブの円盤の」
「それやりたいって思ってたんだよ!」


 こうして次の予定がすんなり決まる。
 今からワクワクして仕方ない。


「それじゃ、また連絡するね。また明日!」
「はい、また明日」


 また明日、会社で会う。毎日当たり前のように顔を合わせているから当然だ。
 それまではなるべく会いたくないと思っていたのに。

 今、また明日会えることを嬉しく思う自分がいた。
 会社では必要以上の会話なんてしないのに。


「っ、ちょっとやばいかも……」


 誰かと一緒にいて楽しいと思う感覚すらも久しぶりだった。
 それだけなら、まだいい。
 良き友人に出会えたと思えるけれど、「会えるだけで嬉しい」と思う感覚は――黄色信号だ。

 私には、恋愛なんて必要ない。
 私には桂馬がいればいい。桂馬の活躍を応援し続けることができたら、それだけで充分なんだから。


< 44 / 140 >

この作品をシェア

pagetop