苦手な同僚が同担だった件について。


 どうしてこの人がここにいるの……?

 まさかと思ったが、そこにいたのは二度と会いたくないと思っていたあの人だった。


「かけるちゃんだよね」
将信(まさのぶ)さん……」


 どうしよう、逃げなきゃ。
 そう思うのに、何かに縛り付けられたように足が動かない。


「かけるちゃん、会いたかった」
「……」
「ずっと君に会いたかった」


 どうしてそんなことが言えるの?
 自分が私に何をしたのか忘れたの?


「っ、私は会いたくありませんでした……」
「かけるちゃん、頼む。話を聞いてくれないか」


 懇願するように私を見つめる、涼やかだけどどこか甘さのある(まなこ)
 あの頃は、あなたに見つめられる度に心がときめいて仕方なかった。
 その瞳に映るのは自分だけだと信じていた。

 でも、真っ赤な嘘だった。


「話すことなんてありませんっ!」
「かけるちゃん」
「帰ってください!」
「かけるちゃん、僕は……」


 もうやめて!
 私の名前を呼ばないで……!


「俺の彼女に何の用ですか?」


 え……?
 いつの間にか私の肩には腕が回されていて、飛鳥さんが私を守るように将信さんの前に立っていた。


「彼女……?」
「ああ、今は俺の彼女。ね、かける?」
「ええっ!?」


 あ、飛鳥さんったら何を言い出すの!?
 初めて呼ばれた下の名前呼びにも驚きが隠せず、開いた口が塞がらない。


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