苦手な同僚が同担だった件について。
ポカンとしている私に飛鳥さんが耳元で囁く。
「話合わせて」
あ……、ああ、そういうことか。
「今は、この人とお付き合いしていますので……」
飛鳥さんは私を助けてくれているんだ。
「どちら様か知らないけど、かけるが嫌がっているのでやめてもらえますか?」
「っ、かけるちゃん……」
「しつこいな。どっか行けって言ってるのがわからない?」
「く……っ!」
飛鳥さんの迫力に怯んだのか、まだ何か言いたそうにしながらも将信さんは立ち去って行った。
彼の背中が見えなくなった途端、一気に気が抜けてその場にへなへなとへたり込んでしまう。
「角田さん、大丈夫!?」
「大丈夫……」
「ちょっとあそこのベンチで休もうか」
すぐ近くにあったベンチに座らせてもらう。
飛鳥さんは「ちょっと待ってて」とその場を離れた。すぐに戻ってきたと思うと、両手にはレモンサイダーのペットボトルを持っていた。
「はい」
「ありがとう……」
飛鳥さんも隣に座り、プシュッという音とともにキャップを開ける。
私もレモンサイダーを喉に流し込んだ。酸っぱくてシュワシュワとした喉越しが嫌な気持ちを少しだけ飛ばしてくれる。
「ごめんね、急に彼女とか言い出して」
「ううん、助かった。ありがとう」
「あの人、もしかしてストーカーだったりする?」