苦手な同僚が同担だった件について。
飛鳥さんがあまりにも深刻そうな表情で私の顔を覗き込むから、慌てて否定した。
「ストーカーとかではないよ! ……ただ、前に付き合っていただけ」
そう、半年程前まで私と彼は付き合っていた。
そして、恋愛なんてもうしたくないと思わせてくれた人でもある。
「そっか。あまり良い別れ方ではなかったんだな」
「……ん」
将信さんのことは、あまり話したくない。
でもあんなところを見られてしまったし、ストーカーではないかと心配してくれているなら話した方がいいのだろうか。
でも……。
「前から思ってたけど、かけるって良い名前だよな」
「えっ?」
急に脈絡のないことを言われて思わず顔を上げる。
「カッコいいよね。角田さんにピッタリだし」
「え……、そうかな?」
かけるという名前は父が名付けた。
そもそも私が生まれるまで、ずっと男の子だと勘違いしていたらしい。
何事にも情熱を持って一直線に突き進めるように、という意味を込めて「駆」という名前を考えていた。
しかしいざ産まれたのは女の子だったというわけだ。
「それで母が言ったの。ひらがなでかけるにしたらかわいいんじゃないかって」
「なるほどな。お母さんナイス」
「子どもの頃はもっと女の子らしい名前がよかったと思っていたけどね」
「俺はかけるって名前好きだな」