苦手な同僚が同担だった件について。
家の近くまで送ると言ってくれたけど、流石に申し訳ないから断った。
竜矢くんは渋ったけど、「何かあればすぐに連絡する」と言ったら一応納得してくれた。
電車に揺られながら、半年前のことを反芻する。
あの人との出会いを――。
* * *
新卒で入社してから半年前まで、私は大手広告代理店・博誠堂の営業部員だった。
あの頃は今とは違い、オフィスカジュアルなセットアップに靴は常にヒールを履いていた。
営業として人前に出ることが多いので、メイクもそれなりに頑張っていた。
「おはようございます。課長、今よろしいでしょうか?」
「おはよう。どうしたんだい?」
「玉城商事の件、もぎ取りました」
「本当か!? すごいじゃないか! 角田に任せて正解だよ」
「ありがとうございます」
あの頃の私は、今より社内でのコミュニケーションを密に取っていた。
上司や先輩はもちろん、同期や後輩ともそれなりに仲良くやっていたと思う。
この頃からL.knightsにはハマっていたけど、ファンであることは隠していた。
それだけは今と変わらないけれど、それ以外は全然違っていた。少なくともロボットみたいだと陰口を叩かれるようなことはなかった。
「角田くん、玉城商事の案件取れたんだってね」
「はい。鈴木さんにご指導いただいたおかげです。あの時はありがとうございました」
「いやいや、そんな大したことはしてないよ」