苦手な同僚が同担だった件について。


 そこから将信さんとの交際が始まる。
 恋人としての将信さんもとても優しい。私より六つも年上だからか、大人で余裕がある。

 デートはいつもエスコートしてくれたし、夜はとびきり甘かった。
 恋に溺れるとはこのことで、私は身も心も将信さんに夢中になっていた。


「好きだよ、かけるちゃん」
「私も……」


 彼に甘く囁かれ、抱かれている時が一番幸せだった。
 あの頃は正直桂馬より将信さんだったと思う。
 予約していた新曲のCDが届いても、封すら開けていなかった。それだけ推しより恋人に夢中だったのだ。


「角田、最近調子良いな。また新規を獲得したそうじゃないか」
「はい、玉城専務からご紹介いただいてご縁をいただきました」
「玉城とも良い関係を築けているんだな。この前も専務が褒めていたよ、角田さんはよくやってくれるって。これからも期待しているからな」
「ありがとうございます!」


 仕事も順風満帆だった。周りの期待に応えたいと、やる気と向上心が漲っていた。
 何より私には将信さんがいる。

 あんなに波風立たせないように気を遣っていたのに、この頃の私は周りが見えていなかった。
 もう綻びはあちこちにあったというのに。


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