苦手な同僚が同担だった件について。


 その夜、電話で将信さんを問い詰めた。将信さんは白状した。


《確かに僕は結婚している》


 信じたくなかった。やっぱり私は、騙されていた。


《でももう妻との関係は冷え切っているんだ。僕が愛しているのは、かけるちゃんだけだよ》
「そんなこと、信じられるわけないじゃない……っ!」
《妻と離婚したら、君にプロポーズしようと思っていた。かけるちゃん、僕は》
「もう二度と連絡してこないで!」


 私は一方的に電話を切った。この通話は録音していた。
 これで私が知らずに将信さんと交際していたという証拠ができた。

 冷静になってもう一度話し合えば、慰謝料は請求されずに済むだろう。
 それでも意図せず不倫をしていた事実は消えないが。


「っ、どうして……っ」


 私だって本気で愛していた。でも、既婚者だと知っていたら好きにならなかった。

 思えば、彼と一年交際しているのに一度も自宅に招いてくれなかった。
 将信さんの家に行ってみたいと何度か言ったことはあるけど、何かと理由を付けてやんわり断られていた。

 当然だ、彼の帰る家には奥さんがいるのだから。

 あまりのショックに一晩中泣きじゃくり、翌日は会社を休んでしまった。
 その翌日出社すると、更なる地獄が待っていた。


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