苦手な同僚が同担だった件について。


 それから戸川さんとは何となく話すようになった。
 と言っても仕事の話ばかりだが。

 わからないことがあると私に聞いたり、質問してくれるようになった。
 戸川さんは少し大雑把なところがあるが、根は真面目だ。
 一度言ったことは覚えてくれるし、やっぱり素直な子なんだなと改めて思った。

 コミュ力の高い戸川さんと私が話すようになったからか、何となく他の人も私に話しかけてくれるようになった。
 こうして人と接するようになって、改めてこの会社の人は良い人たちばかりなのだと認識する。

 今までは自分の殻に閉じこもっていたけれど、やはり仕事は一人でするものではない。
 いい加減私も前を向かなきゃいけないんだろうな――。


「そういえば角田さん、今日何人か誘って飲み会しようと思ってるんですけど、角田さんも来ませんか?」
「えっ、私もですか?」
「あ、やっぱり来ません? たまにはどうかなーって思ったんですけど」


 今までは即断っていた。でも、この時は何故か行ってもいいかもしれないと思った。


「……私も行ってもいいですか?」
「えっ、ほんとですか!?」
「お、お邪魔でなければ……」
「やった〜! 行きましょ〜!」


 戸川さんが予想以上に嬉しそうにしてくれたからホッとした。


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