苦手な同僚が同担だった件について。


 デリカシーがないというか、これってセクハラじゃない?
 思わず顔を歪めるが、山辺さんは気づいていないのかベラベラと喋り続ける。


「前々から思ってたんだよ、髪もせっかく綺麗なのに引っ詰めて。おろした方が俺は好みだな」
「……」


 あなたの好みなんて聞いていないのですが。


「この後二次会やるみたいなんだけど、俺たちは二人だけで二次会やらない?」


 急に距離を詰められたと思ったら、耳元で囁かれてゾクっとした。
 まるで私が断るなんて思っていないのか、山辺さんはどこか勝ち誇ったようにニヤニヤしている。

 どうしてそんなに自信満々に言えるのだろう?
 俺に誘ってもらえるなんて嬉しいだろ? とでも思っているのかしら……。


「やーまべさん! ひどいじゃないですかー」


 突然私たちの間に割り込むように入ってきたのは、竜矢くんだった。


「かわいい後輩を差し置くんですか? 水臭いなぁ」
「なんだよ、お前はもう飽きてんだよ」
「ひでー! てゆーか山辺さん、この前のプレゼンすごかったっすよね。俺もう感激しちゃいました」
「お、そうか?」


 明らかに山辺さんの表情が綻んだ。


「いやほんとすごかったっす! 俺なんてまだまだだーって思いました」
「はっはっはっ。まあ何、お前もよく頑張ってると思うよ」


 鼻高々と言わんばかりに気持ち良くなっている山辺さん。
 竜矢くんはさりげなく私を小突く。

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