苦手な同僚が同担だった件について。


 竜矢くん、助けてくれたんだな……。
 私は心の中でお礼を良い、そろそろと席を立って戸川さんのいるテーブルに混ぜてもらった。

 山辺さんは上機嫌で笑っているのが離れていても聞こえ、私がいないことには気づいていないようだ。

 宴もたけなわという頃、店を出る前にお手洗いに行く。
 その少しの間に竜矢くんからメッセージが届いた。


【二人だけで二次会しませんか?】


 山辺さんと全く同じことを言われても、相手が竜矢くんだと胸が高鳴ってしまう。


【いいですよ】


 するとすぐに既読がつき、「やったー!」という桂馬のスタンプが送られた。
 思わず笑顔になってしまった。


「二次会行く人ー!」
「私はここで失礼します。今日はありがとうございました」
「俺も今日はやめときまーす」
「えー!? 飛鳥さんも来ないんですか!?」


 やはりと言うべきか、竜矢くんが来ないとなると途端にブーイングが起こる。


「申し訳ないけど、今日は勘弁してください。山辺さんに付き合ったら結構飲まされちゃったんですよ」
「あーー……」


 それを聞くと、みんな納得の表情になった。


「お疲れ様でした、色んな意味で」
「お疲れ様っしたー! 角田さん、駅どっち?」
「こっちです」
「じゃあ途中まで一緒に帰ろ」
「はい」


 さりげなく、でも自然に一緒に帰ろうと言えるところが流石だなぁと思う。
 誰も怪しむことはなく、みんな楽しそうに二次会に行ってしまった。

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