『可愛い君へ』
次の日―――
花苗は仕事の書類を朝霞のデスクへ届けた。
やはり辛くて朝霞の顔が見られなかった。
すると朝霞は四角いポストイットを花苗の手の甲に貼り付けた。
自席に戻った花苗は、恐る恐るそのポストイットに書かれた文字を読んだ。
『今日、終業後19時に社の屋上で待っている。朝霞』
なんの用だろう・・・?
響子先輩と付き合っているんだから、もう私なんて必要ないはずなのに・・・
そう思い、花苗ははっと思い出した。
『愛しい君へ』のブログ主の言葉を・・・
『俺はまだこの恋を諦めていません。彼女の本当の気持ちを知るまでは・・・。』
私、朝霞部長に自分の気持ちを伝えていない。
ただ被害者ぶって逃げてばかりで・・・
振られるかもしれないけど、ぶつかってみよう。