かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません
つぐみは光高から身体を離そうとしたが、身体は言うことを聞かない。

もっと先を求めている。

(私、社長に抱かれて感じてる)

すると、身体に電流が流れたように、ピクッと反応した。

「つぐみ、可愛いよ、もう、我慢出来ない」

光高とつぐみは朝まで身体を何度も重ねた。

つぐみが眠っている傍らで、光高は眠れずに朝を迎えた。

つぐみが寝返りをして、光高の方に顔を向けた。

光高はつぐみのおでこにキスを落とす。

すると、つぐみが光高に身体を密着させた。

その時、つぐみの唇は「正臣」と囁いた。

光高は、その場の空気が一瞬に凍りついたような冷たさを感じた。

つぐみも自分の発した言葉に驚いて目が覚めた。

つぐみは急いで光高から離れた。

光高と付き合っているなら、元彼の名前を呼んでしまって気まずいが、光高とは

あくまでかりそめの関係だ、何も慌てる必要はない。

しかし、つぐみはとても悪いことをしたように思えて仕方なかったのだ。
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