かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません
つぐみはしどろもどろになってしまった。

でも、なんで冴木えみりがそんなこと言い出すのか不思議だった。

(まさか……)

つぐみは社長室に向かった。

「失礼します」

思った通り、社長室には光高の母親が来ていた。

「あら、つぐみさん、会社の方々は知らないみたいね、光高との結婚を……」

(なんてことしてくれちゃってるの)

つぐみは、光高の母親の言葉に唖然としてしまった。

ところが、光高は焦ることもなく、落ち着いた態度だった。

(なんでそんなに落ち着いていられるの?私たちはかりそめの関係なのに)

「それじゃあ、光高さん、私は帰りますね、ダメよ、社員の皆さんには話しておかないと」

光高の母親は口角を上げて、ニヤッと笑った。

(私たちの関係を見抜いてる)

私は動揺を隠せずにいた。

光高の母親は社長室を後にした。
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