かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません
「社長、もうみんなが私たちの結婚が間近だと思っています」

「つぐみ、何をそんなに慌ててるんだ、時期を見て発表するつもりだったから、問題はないよ」

つぐみはポカンとしていた。

光高はつぐみに近づき、唇にキスを落とした。

(えっ、なんで今、キス?)

つぐみは不思議に思いながら、光高のキスを心地よいと感じていた。

頭がぼーっとしてきた。

そこへ、総務部部長工藤が社長室をノックした。

私は慌てて社長から離れた。

光高は「どうぞ」と返事をした。

「失礼します」

工藤は社長室に入ると、二人の姿を見て、確信した。

「噂は本当だったんですね、全社員にきちんと報告をお願いします」

「俺とつぐみの結婚のことか?」

「その通りです」

「わかった」
< 23 / 46 >

この作品をシェア

pagetop