隙なしハイスペ女子大生は恋愛偏差値が低すぎる。
黒い気持ち
日曜日、俺は眠い目を擦りながらベッドから起き上がる。
「めっちゃいい天気……」
一人暮らしの室内は殺風景で、特にインテリアにこだわりもないので物も必要最低限。もともと綺麗好きなこともあり、男子の一人暮らしとしてはしっかりやっていけている方だと思う。
カーテンから漏れる朝の日差しが眩しい。春が終わりを告げ、初夏の陽気と新緑のきらめきが心地良いはずなのに、俺の頭は睡眠不足が故にぼーっとしている。ベッドに入ったのは23時頃だったと思うのに、最後にスマホの時計を確認したのは2時半だった。
───今日は、斉木さんに会う日だ。
自分から誘っておいて、あまりの緊張で眠れずこのザマだ。
一緒に作業したあの日、自分の気持ちを恋だと認めたあのとき、俺はその場の勢いで斉木さんとLINEの交換をした。相手があのハイスペ女子、斉木さんだと、何かを決断する度に「断られる覚悟」をもたなくてはならない。そして、恋の駆け引きだのなんだの周りくどいことができない自分なので、常に丸腰で正面からぶつかるしかない。
いつも勝率は全く読めないのだが、幸運なことに今のところ斉木さんは俺の提案を全て受け入れてくれている。LINEの交換、そして2人で出かける約束。それが既に奇跡の連続で。
しかし、LINEを交換したとて特に用もない。本の感想を一方的に送りつけるのも不躾な気がするし、できればそういうものは実際に会って共有したい。
そうなると今度は更に別の欲求が湧いてくる。
「斉木さんに会いたい」